-------------- ライフスタイル --------------
ベトナムにおいて、バイクは日常生活に欠かせない交通手段です。通勤、買い物、友人との集まりなど、多くの人が自家用バイクを使って移動しています。しかし、近年ではGrabやGojek、Beなどのライドシェアサービスが急速に普及しています。
本稿では、ホーチミン市とハノイの300名(男女)への調査結果をもとに、自分のバイクを持っていながらライドシェアを選ぶ理由や、その利用シーン、サービスに対する期待などを分析していきます。
調査結果によると、バイクが手元にあっても特定の場面ではライドシェアを選ぶ傾向が明確に表れています。
最も多かったのは 「パーティーに行くとき」や「飲酒の予定があるとき」。特に 30代の利用が多く、ホーチミン市で顕著です。飲酒運転を避けるため、また安全を確保するための選択肢として定着しています。
その他では、長距離移動、疲れている時、雨天時など、快適さや安全を優先したい場面でライドシェアを利用する人が増えています。**「とにかく便利だから」**という理由も大きく、急な予定や時間がない時にはアプリで即手配できる点が評価されています。
また、駐車場所が見つからないときにも活用されています。特に都市部では駐車スペースが限られており、短時間の用事でもライドシェアの方が便利という声が多く聞かれました。
ライドシェアの利用が定着する中で、利用者の期待も高まっています。バイクのライドシェアにおいて最も重要視されているのは 「安全性」(71%) でした。
特に 女性利用者は、安全、ドライバーの礼儀、車両の状態に対する意識が高いことが分かりました。ヘルメットの質や運転マナー、バイクの清潔さなどが気になるポイントです。
次に挙げられたのは 「料金」。全体的には手頃ですが、時間帯による変動や急な価格上昇に対して不満が出ています。
**「ドライバーの礼儀」**も重要視されています。バイクの場合、乗客と運転手の距離が近く、会話や対応の印象がサービス評価に直結します。特に女性は、この点に敏感です。
そのほか、予約のしやすさ、配車スピード、バイクの状態なども改善点として挙げられました。
車のライドシェアも人気を集めていますが、バイクとは異なる期待が見られます。
「安全性」と「価格」 は依然として重要ですが、車の方が構造的に安全と感じる人が多く、バイクほど強くは懸念されていません。
「車両の状態」に対する期待は車の方が高く、清潔感や空調、座席の快適さなどが求められています。特別な外出や家族での移動に使われることも多いため、質の高い体験が期待されます。
**「ドライバーの礼儀」**については、車の方がやや寛容な傾向があり、会話が少ないことも理由の一つかもしれません。
バイク社会のベトナムにおいて、ライドシェアは「代替手段」ではなく、「補完的な移動手段」として確固たる地位を築いています。
TP.HCMとハノイの300名の回答からも分かるように、人々はその時々の状況に応じて柔軟にライドシェアを活用しており、現代の生活スタイルに合った賢い移動手段として受け入れられています。
特に女性層は、安全性や対応の良さ、車両の状態に対して高い期待を持っており、今後のサービス改善の方向性にも影響を与える存在です。
都市部での生活をより快適にするために、ライドシェアはこれからも欠かせない存在となっていくでしょう。