日本のインターン生によるベトナム化粧品市場についての発見

こんにちは。ベトナムでマーケティングのインターンを初めて３ヶ月目になる伏木です。ベトナムに来て以来、今、急成長しているベトナム市場を目の当たりにし様々な驚きがありました。特に消費財市場における中間層やGDPの伸びに表れているような著しい成長を身を以て感じることが出来ています。その中でも私は化粧品市場に注目しています。もの凄い勢いで成長する化粧品業界なのですが、９０％は日本を含む外資メーカーによって占められています。一方で、その状況は日本とは大きく異なるように感じています。今回は、私が化粧品について気づいたいくつかの違いについて書きたいと思います。

店頭に並ぶくっきりとした色のメイクアップ用品

まず最初に感じたのが化粧の好みの違いです。この違いはどうやら日本人とベトナム人の「可愛い」の定義が異なる点から来ているようです。ベトナムの「可愛い」化粧ははっきりとした化粧で、それに前髪を流したようなロングヘアが人気のように感じます。ベトナムの人気芸能人Mỹ TâmやHồ Ngọc Hàなどが典型的で、「ロングヘア」＋「綺麗目のはっきりとした化粧」で少し強めの雰囲気の印象を与えているように感じます。日本の例えば、井川遥、新垣結衣や綾瀬はるかなどのナチュラルな化粧とは少し系統が異なっています。髪型についてもショートヘアの女性を見かけることは殆どなく、お洒落に気を使って見える人は決まってロングヘアではっきりとした色味の口紅やファッションを身にまとっているように感じます。またLipice、EssanceやFaceshop等の日韓の人気化粧品ブランドの店頭を見ても原色のくっきり目の口紅が多いのが印象的でした。、広告や女性に人気のサイトのモデル写真なども同じ傾向が伺えます。

もう１つの大きな違いが化粧品に費やす金額についてです。日本だと女子大生でも月数千円を化粧に費やすのは珍しくないのですが、当社の調査結果によると、20代以上のベトナム女性の化粧品消費額は毎月140KVND（約780円）でした。ベトナム人の社会人の収入が数万円程度なので、出費もかなり限られるようです。

また化粧品の販売場所も日本とベトナムでは異なります。日本だとドラッグストアやデパート等で化粧品を購入する事が多いと思うのですが、ベトナムでは、お手頃価格のブランドが並べられているスーパー、有名ブランドの偽造品が売られているローカルマーケット、価格帯が高くてもディスカウント商品を探しやすいオンラインサイトやはたまた海外に行った友達に購入を依頼する等、購入場所が非常にバラエティに富んでいるように感じました。これも、まだまだデパート等で売っている高級品には手が出ないという背景が関係しているように思います。

店頭に並ぶくっきりとした色のメイクアップ用品

最後に、ベトナムでは化粧品と言えば韓国ブランドをし支持する人が圧倒的に多いことも興味深い違いの１つです。ベトナム人に韓国ドラマが人気だという背景もありますが、THEFACESHOP、SKINFOOD、ETUDEHOUSEやESSANCEなど中間層向けのブランドが手頃な価格帯で展開していることが人気の理由の１つです。あわせて様々なプロモーションが常時行われていることにもビックリしました。THEFACESHOPなどの人気韓国ブランドが並ぶモールに行くと、バイクや人気の韓流スターのカレンダーが当たるプロモーションをやっていたり、２つ買ったら１つ無料のような新商品のプロモーションが宣伝されていたりされていたりと、ベトナム人の財布の紐を緩めるべく様々なマーケティング戦略が組まれているように思います。

このような状況を知り、同じ女性としてベトナム人の化粧に対する美的感覚の違いに非常に興味を掻き立てられたのと同時に、経済環境による化粧品市場の違いやが貧富の差が少ない日本の環境との違いをを心底感じました。